釧路港と興津をお散歩。
釧路には輸送艦「くにさき」が寄港していた。レンガやコンクリの倉庫のたたずまい、海に捨てられた雪のふぜいをみて小樽を思い出したけど、道民にそう伝えたらあまりピンとこないようだった。
興津の海岸線はまえから地図でながめなら行きたいと思っていて、釧路訪問4回目にしてやっと訪れることができた。思っていたとおりの絶景だった。
海にせり出した崖のがけっぷちにボロボロのサマーチェアに腰かけて夕日をながめている人がいた。気温はもちろん氷点下、たぶんマイナス5度以下だったと思う。この極寒の空の下、なにをしてるのだろう。私たちはカメラをもっていそいそとそのがけっぷちに向かう。カメラをもって近づく私たちに気づいて、ここに来ていいよ、という。その手にはコンデジがあった。私たちは思い思いに写真をとっていると、ここに来ていいからね、いい眺めなんだ、という。
夕日が海にとっぷり沈んで、サマーチェアの人が椅子をたたんで帰っていく。彼の家はこの崖の目の前にあった。こうやって毎日崖のうえで夕日を愛でているのだろうか。その人のうしろ姿を見送りながら、ここでの暮らしに思いを寄せてみた。