11/12/2015

11/07/2015

Minoltaflex III × Fuji Neopan 100 Acros












フィルムカウンターのリセット方法を理解してからはじめて撮った1本。つまりまともに12枚とれた最初の1本です。

「まだまだ使えるのに中古カメラ屋の片隅で誰にも見向きもされないようなカメラ」


このMinoltaflexは、お店の一番下の、しゃがんで覗き込まないと見えないような陳列棚にジャンク品として展示してありました。二眼カメラはいつか欲しいなと思っていたものの、どんな機種があるかも調べないままでした。

最近、とある写真展の参加条件で「まだまだ使えるのに中古カメラ屋の片隅で誰にも見向きもされないようなカメラ=駄カメラ」を3000円以内で新たに1台手に入れること、というのがあって、会期も迫っているので先週末急遽「駄カメラ」を1台買うことになったのです。

新宿のペンタックスフォーラムでモデルシューティングに参加するついでに、中古カメラやさんに立ち寄り。テンポの入り口の特価品コーナーで1000円のキャノンオートボーイをみつけ、早速これだ!と思い、お店の人に、これ電池はどこから交換するのですか?とたずねると「ジャンクだから動かないよ」とだけひややかな回答。あらやだちょっと居心地悪いわ、帰りたい。でも、また別のお店に行くのも手間なので、気を取り直して、お店のなかを徘徊開始。そこで見つけたのがこの機種になります。お店の人にはふたたびジャンクだから、動かないよ、ディスプレイ用ならいいんじゃない、とけんもほろろにあしらわれ、あまりゆっくり眺める時間もとれずに決めたのだけど、どうやらアタリの1台だったようです。

実はもう1台、これより500円やすい2000円の値札がついた二眼があって(後からおもいかえせばRicohflexだったと思うのだけど)、お店の人は飾り用ならこのレンズのまわりにギザギザがついたこれがいいんじゃない?とそちらをすすめててきました。どうせ動かないカメラなら安いほうがいいでしょ、的なアドバイスだったんだろう、と思う。

そんなわけで、お店の人があまりにそっけないので、カメラのメーカー名を見るココロの余裕もなく、ただただ「どちらのカメラがよりちゃんと動きそうか」ということを見極めたくて、カメラを手にしたものの、何をどうみたらいいかまったくわならない(笑)

手に取ったときの重量感とか、裏蓋があくかとか、レンズまわりのレバーが動くかとかその程度だけさわってみただけ。シャッターがどの位置にあるかさえわからなかったので、シャッターが切れるかどうかも確認していない。でもディスプレイ用ならいいんじゃない、という店員さんに対し操作方法を聞くこともできなくて、より動いてくれそうなMinoltaflexを「これください」と八百屋さんで野菜を買うようないきおいで買ってきた。だからほんと、動いてくれてありがとう、な1台なのです。

ともあれ、いまではすっかり二眼の操作方法も理解したので、どこを確認すればよいかある程度はわかるようになったし、次はぱぱっと見分けることができちゃうもんね、きっと。たぶん。

私が手に入れたのは、Minoltaflex でも III型で、早田カメラさんの解説によると1954年製造開始のカメラ。レンズもロッコ-ルレンズとやらのなかなかいい写りのレンズらしい。また別のサイトによると、当時4万円台で販売された高級機だった模様。当時だったらぜったいに手が届かなかったカメラをこうやって使う機会に恵まれるというのは、なんだかちょっと得した気分です。

とはいえジャンク品、二眼だから撮影用レンズがどんな写りか直接のぞいて確かめることもできないので、早速試写。最初の2本は、コマ送りが正しくできなくて(フィルムのカウンターをリセットしなくちゃいけない、ということを知らなかったため)、まともに撮影できたのがほんの数枚だったけど、3本目にしてやっと12枚フル撮影できました。思った以上によく写ってくれて満足です。

となると、あとは腕の問題ね。

ちなみに、これを銀座のホコ天でのぞいていると自分のお父さんの年齢くらいの方々に、なつかしいもの持ってるねー、とよく声をかけていただきます。そんな出会いも含めて楽しいカメラです。